第3回日本フットケア・足病医学会 東海・北陸地方会学術集会 会長
富山市立富山市民病院 副院長 医療局長 内分泌代謝内科部長
家城 恭彦
第3回日本フットケア・足病医学会 東海・北陸地方会学術集会を開催させていただくにあたり、ひとことご挨拶を申し上げます。
3年に及んだコロナ禍にもようやく出口が見え始め、社会活動も徐々にコロナ前の状態に戻りつつあります。それとともに、集合型で現地開催される学会もふえ、参加者が直接対面で意見交換できるようになってきていることは、大変喜ばしいことです。そのような中で、第3回の東海・北陸地方会学術集会は、10月7日(土)に富山国際会議場を会場として、現地開催一本で開催させていただきます。憶えていらっしゃいますか? そうです、2009年に第6回日本フットケア学会富山セミナーを開催した、富山城のお堀端にあるあの会場です。
今回のテーマは、「歩を進める ~足もとをみて前へ~」としました。前回の熊田会長は、「原点回帰」をテーマに掲げられました。日本のフットケアの黎明期に前身の日本フットケア学会を立ち上げ、先頭に立ってフットケアの普及・啓発に努めてこられた先生の、「今一度初心に帰ろう」というメッセージが込められたものと理解しています。それを受けて今回は、「フットケアを志したあの時の気持ちを忘れず、たゆまぬ一歩を進めていけば、目指す目標は自ずと近づいてくる、さあ頑張ろう!」というエールを送ろうとの思いから、このテーマに決めました。
2003年に日本フットケア学会が発足して以降、フットケアの普及・啓発活動は学会員を中心として年々全国で盛んとなり、足を救う医療技術の進歩や医療体制の拡充とも相まって、フットケアの恩恵にあずかる足病患者の数はふえてきております。一方で、時すでに遅く生活の質を保てるだけの救肢には至らない患者や、そもそもフットケアにさえ辿り着けない患者がいまだに少なくないことも事実であり、よりいっそうの底辺拡大が必要と感じております。今回開催させていただく学術集会では、当地域の現状と課題を共有し、その課題解決に向けての意思疎通を図るとともに、「足」を守るネットワークの絆を深め、参加者のスキルアップに寄与するものにしたいと考えています。地元で活躍するメンバーを中心に、派手さはなくともほっこりとした手作り感のある、まさに「富山らしい」学会が目指すところです。
ここ富山は、豊かな自然に恵まれたところです。とくに学会を開催する10月初旬は、立山連峰や黒部峡谷が紅葉で色づく絶好の行楽シーズンです。3連休の初日はフットケアにどっぷりと浸かり、学会の疲れは富山湾の海の幸と地酒で心身ともに癒してしてください。残り2日間は、立山黒部アルペンルートに「足」を伸ばして、富山が誇る大自然を満喫するのもいいですよ。きっと忘れられない富山での3日間になるものと確信しております。皆さんにとって有意義で、明日からの元気につながる学会となるよう、スタッフ一同準備を進めてお待ちしております。では、富山でお会いしましょう!
令和5年4月吉日